今回、新しいパーツを付けて足らない最高速をどこまでカバーできるか・・・
ここのところフラストレーションが溜まるレースが重なってきておりますが・・・
この鬱陶しい天気のようなファンの気持ちを吹き飛ばすようなレースに期待したいです!
さあ、いよいよ今日から始まります!
F1 GP in Italy!
Sep 7, 2007
イタリアGPを控えた先週、モンツァでF1合同テストが行なわれた。他のテストとモンツァテストは、少し違うニュアンスがある。その理由は、モンツァが、図抜けたローダウンフォースコースで、他とはまったく仕様の違うウィングを装着するからだ。
長い直線で最高速を稼ぎたい。しかし、「ダウンフォース自体は、他と同じくらいと思います。でも、必要なダウンフォースを付けると、ドラッグ(空気抵抗)が大きくなって最高速が伸びない」と琢磨。高速モンツァのイタリアGPは、厳しい戦いになるのか。
--超高速イタリアGPは、現状のスーパーアグリにとって、シーズン中で一番厳しいレースになりそうですか?
琢磨 確かに、辛いレースにはなりそうだけれど、一番厳しいともいえないと思います。というのは、モントリオール(6位に入賞したカナダGP)も、ここと同じようにストレートとシケインをつないだ軽いウィングのコースですから。パフォーマンス的に厳しいことは厳しいですが、モントリオールと同じようなレースができればいいとな、と。
--先週のテストの状況は?
琢磨 今日もずいぶん涼しいですが、先週は、雨もあったし寒かったですが、いつもの“モンツァ・テスト”という感じでした。完全にイタリアGP用のモンツァスペックで走りました。一番薄いウイングだし、ここでしか意味のない仕様のマシンでのテストなのに加えて準備期間がある分、その結果がそのまま週末に出てくると思います。
--内容的には順調でしたか?
琢磨 油圧系統のトラブルが出たり、細かいトラブルもありました。赤旗で中断したり、テストで試すはずだったパーツが間に合わなかくて他のコース用を間に合わせで使ったりしてクルマも完全ではなかったし、雨でさえぎられたりして予定のプログラムを終わらせられなかった。けれど、プライム(硬い方のタイヤ)は安定していてよかったです。ソフトもアンソニーが最終日にみっちり走りこんでそのデータをもらえたし。
--ブレーキングの安定性やメカニカル・セットアップは?
琢磨 ベースとなる部分も見つかったので、いい部分もありましたが、手応えがあったという状況ではなくて、自分たちの中でみても、まだまだ要求したい部分がたくさんあります。
--厳しいのはトップスピード?
琢磨 ですね。最速のチームより、15〜17km/hくらい遅いので。その状況で、明日、どこまでマスキングしていけるか、ということだと思います。7月のスパ−フランコルシャンのテストは、タイム的にポジティブだったけれど、ここはタイム的に厳しそうですね。直前テストなので、結果がそのまま反映されそうだし。でも、先週、間に合わなかったパーツが届いたので、その分の期待はしています。
--メカニカル的な要素はどうですか?
琢磨 テストでベースの確認はしたので、明日はそこからのスタートになります。難しいのは、ここが特殊で、他のコースと直接比較ができないところです。
--モンツァのコースでキモになるのは?
琢磨 どこか一カ所を挙げるのは難しいけれど、特性は二つに分けられます。第1シケインと第2シケインは、縁石の乗り方も微妙に違うけれど、スピード域はほぼ一緒だし、ブレーキへの要求や立ち上がりに向けてのトラクションが大事。レズモの1、2は唯一といえるコーナーで、薄いウィングのダウンフォースで何とかごまかしていかなきゃいけない。あと、アスカリシケインとパラボリカは非常に似ているので、超高速と超低速に完全に分けてセットアップするので、やりやすいといえばやりやすいですね。ただ、いま持っているもので、メカニカルグリップを得ることと、ダウンフォースを得るという両方をいっぺんに、というのは難しいですね。
--ダウンフォースが足らないのではない?
琢磨 他のコースでは、タウンフォースが足らない状況に追い込まれるけれど、ここは全員がダウンフォースを落としてくるので、足らないことはない。トップチームと同じようなダウンフォースをつけることはできるけれど、ドラッグが全部ついてきちゃう。後はダウンフォースをつけたままいかにドラッグを減らすか、ということになりますね。明日は、新しいパーツが届いたりしているので、どこまで最高速を伸ばせるか、ということだと思います。
(Masami Yamaguchi/MYS)