後半戦・・・厳しい闘いになりそうですが、新たな目標である「コンストラクター8位キープ」を達成できるようがんばってほしいですね。
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スーパー・アグリF1チームのテクニカル・ディレクターであるマークプレストンのインタビューがSAF1(スーパー・アグリF1チーム)から届いた。
チームは現在、前半戦の流れに比べて運気を逸したレースを戦っているが、技術責任者であるプレストンのコメントには、小さなチームの頑張りと、今後の壁の高さを感じさせるいくつかのキーワードが含まれていた。
2007年に掲げた三つの目標
--マーク、2007年シーズンがスタートする時、今年の目標について話していましたが、目標は達成できましたか?
マーク・プレストン(以下MP) シーズンがスタートする前、チームに3つの目標を設定した。予選第2セッションに進出すること、チームとしての初ポイントを獲得すること、そして最後はコンストラクターズ・チャンピオンシップ10位以内に入ることだ。メルボルンでは予選第2セッションに進めたばかりではなく、1台が予選最終セッションにまで残った。初ポイント獲得はバルセロナで琢磨が達成した。あれ以来、正式にF1への仲間入りが果たせたと胸を張って言えるようになった。1ポイントを獲得できたということにはさまざまな意味がある。1ポイントのおかげで、チームの名を確実に記録に残すことができた。
--3番目の目標が達成できる可能性はどれぐらい?
MP 現在、4ポイントを獲得しているので、目標が達成できる可能性は高いけれど、フランスGPで経験したように、F1は驚くほど競争が激しくなっている。2年前にはトップタイムの107%より遅いと失格になるルールがあったが、フランスのグリッドに並んだマシンの大部分は102%だった。それを考えても、確かに厳しい戦いになっていることがわかるね。3つの目標のうち、ふたつはすでに達成したけれど、最後のひとつが一番難しい目標だと思う。マシンのパフォーマンスを改善しながら、現在のレベルの競争力を維持する必要がある。しかし、あえてもうひとつ目標を付け加えるなら、チャンピオンシップで今のポジション(8位)を維持することかな。難しい挑戦になると思うけどね。
--達成できる可能性は?
MP 予選のポジションが11番手から14番手までのグリッドからスタートしない限りはポイント獲得は難しい。しかし、このグリッドポジションからだったら可能だということを多くのチームが証明しているけれど、トップチームのマシンは信頼性が高いので、ポイント獲得は簡単ではない。目標を達成するためには、より安定した予選ポジション獲得のためにアンソニーとの作業に取り組んでいる。彼には予選第2セッションへ進出が可能なスピードがあるけれど、ドライバーとチーム両方のミスによって、第2セッション進出が毎回は果たせないでいる。
ホンダの協力
--しかし、これほど小さなチームがモータースポーツの頂点で戦うのは大変なのでは?
MP リソースはもちろん重要な要素のひとつで、規模が小さいチームであるだけに「どうやってリソースを手に入れているんだ」とよく尋ねられるが、その答えは実行力だ。日本のホンダと緊密な仕事関係を築くことで、さまざまな経験や専門知識を彼らから学ぶことができる。もし、マテリアルに問題があったら、ホンダには専門家が大勢いるので質問すればいい。事実上、我々のマテリアル担当者や専門知識が増えたのと同じことだ。もうひとつの例として、我々がホンダ製のギヤボックスを採用していることだ。これで人員数もテスト資金もかなり削減することができる。
--アンソニーはどのような進歩を遂げていますか?
MP 昨年、フランク・モンタニーがチームに加わった時にも、我々は同じことを経験した。彼はチームにもよく馴染んでいるが、我々のほとんどはすでに1年間ともに仕事をしているので、彼がチームにとけ込むには時間がかかる。チームとの関係をより深めるために、シミュレータープロジェクトなど、いくつか特別に彼が取り組んでいるプロジェクトがある。
アンソニーに期待
--シミュレータープロジェクトのことを詳しく教えてください。
MP まだ試験的なものだが、アンソニーはエンジニアとともに、シミュレーターのどの部分が役に立つのかを研究している。将来的にはテストがさらに制限されてくるので、シミュレーターの存在はより重要になると思うが、現段階では試験的なプログラムにしか過ぎない。基本的に、アンソニーは役に立つと思われるタイプのものを試して、将来的に役立つデータになると判断した精度の高い情報だけを我々にフィードバックしている。今年は、シミュレーターを使って、富士スピードウェイの準備をしたらおもしろいと思う。あそこでのレースの経験があるドライバーは少ないからね。
--来週、ニュルブルクリンクで開催されるヨーロッパGPのために、何か特別なことはありますか?
MP 予選第2セッション進出を目指す。それがポイント獲得への一番のチャンスだし、少なくとも、直近のライバルと戦い、現在のチャンピオンシップのポジションを維持する一番の近道だから。
(Masami Yamaguchi/MYS)